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育児介護休業法をおさらい!労働者の権利と企業の義務まとめ!【人事・労務ジャーナル 2026年度5月号】

新年度を迎え、育児休業から復帰する社員が増える時期です。復帰後の働き方をめぐってトラブルやハラスメントが起きないよう、育児介護休業法で定められている労働者の権利と企業の義務をあらためて確認しておきましょう。
育児休業と出生時育児休業の基本
育児休業は、原則として子が1歳になるまで取得でき、保育所に入れないなどの事情がある場合は最長2歳まで延長が可能です。2回に分割して取得することもできます。加えて、子の出生後8週間以内に最大4週間取得できる「出生時育児休業(産後パパ育休)」の制度もあります。育児休業は男女を問わず利用できるものであり、企業には申出を拒否することが原則として認められていません。
短時間勤務と残業免除の対象範囲
3歳未満の子を養育する労働者から申出があった場合、企業には1日の所定労働時間を原則6時間とする短時間勤務制度を設けて、通常時間勤務か短時間勤務かを選択できるようにする義務があります。1日6時間を選択できるようにした上で、従業員の所定労働時間の選択肢を増やすために、5時間や7時間といった6時間以外の短時間勤務を認めることも法令を上回る措置として可能です。
また、残業免除(所定外労働の制限)については、2025年4月の改正により対象が小学校就学前の子を養育する労働者にまで拡大されています。これらの制度は労働者の権利として法律で保障されていますので、申出があった場合は適切に対応する必要があります。
子の看護等休暇の拡充
子の看護等休暇も、2025年4月から大きく見直されています。対象となる子の範囲が小学校3年生修了時までに拡大され、取得事由にも感染症による学級閉鎖や入園式・卒園式への参加が加わりました。年次有給休暇とは別に、子1人であれば年5日、2人以上であれば年10日まで取得できます。勤続6か月未満の労働者を除外する規定も廃止されています。
企業に求められるハラスメント防止措置
育児介護休業法では、育児休業や短時間勤務などの制度を利用したこと、または利用を申し出たことを理由とする不利益な取扱いが禁止されています。解雇や降格、減給はもちろん、嫌がらせや制度の利用を妨げるような言動もハラスメントに該当します。企業には、相談窓口の設置や社内研修の実施など、ハラスメントを防止するための措置を講じることが義務付けられています。
育児と仕事の両立を支える制度は年々充実しています。制度の内容を正しく理解し、復帰する社員が安心して働ける環境を整えていくことが、人材の定着や職場全体の活力にもつながります。
【2026年4月努力義務化】
治療と就業の両立支援の企業対応ポイント!
2026年4月1日、労働施策総合推進法の改正が施行され、治療と就業の両立支援に関する必要な措置を講じることが、企業の努力義務となりました。
高齢化や医療技術の進歩を背景に、疾病を抱えながら働く方は年々増加しており、職場で治療と就業の両立に対応する場面はますます増えていくと予想されます。今回は、改正の概要と、企業が押さえておきたい対応のポイントを解説します。
改正の概要と対象となる労働者
今回の改正では、労働施策総合推進法第27条の3に新たな規定が設けられました。事業主は、治療を受ける労働者について、就業によって症状が増悪することを防ぎ、治療と就業の両立を支援するため、相談に応じ、体制整備その他必要な措置を講ずるよう努めることとされています。
対象は雇用形態を問わず、パートタイマーや有期契約労働者を含むすべての労働者です。努力義務ではありますが、人材の定着や健康経営の観点からも、取り組みの重要性は一層高まっています。
両立支援を行うための環境整備
企業にまず求められるのは、土台となる環境整備です。具体的には、治療と就業の両立支援に取り組む基本方針を明確にし、社内に周知することから始まります。あわせて、管理職や一般社員を対象とした研修を通じて意識啓発を行い、労働者が安心して相談できるよう、相談窓口や情報の取扱いルールを明確にしておくことが大切です。両立支援は労働者本人からの申出が起点となるため、申出しやすい職場風土づくりが何より欠かせません。
制度・体制の整備と両立支援の進め方
制度面では、時間単位の年次有給休暇や傷病休暇、時差出勤、短時間勤務、在宅勤務、試し出勤制度など、各社の実情に応じた柔軟な仕組みの導入が望まれます。実際の支援は、労働者からの申出を受けたのち、主治医からの情報をもとに産業医等の意見を聴き、就業継続の可否を判断したうえで、両立支援プランを作成し実施するという流れで進めます。治療の経過に応じて内容を見直し、再発時にも改めて対応を検討することが求められます。
治療と就業の両立支援は、疾病を抱える労働者を支えるだけでなく、企業にとっても人材の安定確保や従業員の安心感の向上につながる重要な取り組みです。改正が施行された今、自社の制度や相談体制を改めて点検し、できるところから環境整備を進めていきましょう。